震度7を記録した1995年の阪神淡路大震災(兵庫県南部地震)
2004年の新潟県中越地震、そして2007年には震度6強を記録
した新潟県中越沖地震など歴史的大被害を受けた地震は枚挙
に暇がない。
また、1896年の明治三陸地震津波や1993年の北
海道南西沖地震津波など地震や火山の爆発などに起因する歴
史上数多くの津波被害記録が残されている。
そして、インド洋沿岸の広範囲の沿岸地域に大被害をもたらした20
04年のスマトラ沖地震津波の惨状は記憶に新しい。
本研究では、地震や津波発生時の避難誘導への活用が期待される
「高輝度蓄光機能」について最新の動向を紹介する。
・大規模地震やそれに伴う火災が発生し、住民が建物の外の安全な場所に
避難する際、近隣避難場所への誘導及び避難場所標示が避難者の道しる
べとなる。
・誘導標識としては、平成12年度、総務省消防庁に設置された「避難標識に
関する調査検討委員会」が報告
・JISで図記号が指定されている広域避難場所に設置する案内標識がある。
・地方自治体が設置を推進し、最近では各所で見られるようになってきている。
・以前は津波避難場所誘導に関する統一された標識図記号が存在しなかった。
・平成16年度に総務省消防庁に設置された「防災のための図記号に関する調査検討委員会」が津波に
関する標識として「津波注意」「津波避難場所」「津波避難ビル」を報告している。
・JIS化に向けて検討が進められている(図2)。
・また、津波は「TSUNAMI」と表される世界共通語でもあり、日本の図記号案がISOで国際的に統一さ
れた避難誘導標示として採用される方向で検討が進んでいる。
1日のうち約半分は夜であり、地震や津波は昼夜を選ばず発生する。夜間、大地震が発生した場合、
電力、ガス、水道、通信等ライフラインが寸断される中、真っ暗な道を果たして安全かつ安心して避
難場所まで辿り着けるであろうか。